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「エンジニア/技術系の上司が部下に興味がない」
そんなお悩みをお伺いするケースが、とても多いです。

上司が部下を育成していないと、
「この上司はそもそも人(部下)に興味がないんだ」と思ってしまいがちです。

ですが、上司は本当に部下に興味がないのでしょうか?
興味がないのではなく、部下との有効な人間関係構築の方法が分からないだけかもしれません。
興味がないのではなく、人と会話する喜びを感じたことが無いだけかもしれません。

白潟総研では今まで8000社以上の中小ベンチャー企業様に対して能力開発のご支援をしていますが、
「この上司は本当に人(部下)に興味がない人だ」と結論付けることとなった上司は5%もいません。

人(部下)に興味を持っているという上司が実際には大半なのです。興味が無いように”見えているだけ”ということです。

このコラムでは、本当に興味が無いのか、見極める方法と対応方法についてご紹介していきます!

目次

1. 【基本の対応策】まずは上司と1on1を行い、部下ではなく本人についてじっくり話し合う

この上司は、本当に人に興味が無い人間なのか?
それを確かめていくには、じっくりと1対1で話し合っていただく以外に方法はありません。

その上司の方が、どういった人間なのか、深く深く知っていくことでしか分からないのです。
しかし、1on1の進め方にはしっかりとコツがあります。

それは、小学校から大学までの人間関係についてじっくりと聞いていくことです。
気の知れた友人が一人でもいるかどうかが、一つ目の分岐です。

友人がいた場合は、まだ大丈夫です。
部下との人間関係(=上下の関係構築)に課題があるだけなので、改善の余地がかなりあります。

一方で友人がいなかった場合は、そもそもの人間関係の構築(横の関係構築)に課題があるということになります。
このパターンでは、社内で同僚との人間関係構築にチャレンジしていただくこととなります。

成功すれば上下の関係構築に進むことができます。
しかし失敗すればプロフェッショナルコースという、部下を持たずプレイングを極めていくキャリアを歩んでいただく形をおススメしています。

ここで先に全体を俯瞰した以下のスライドをご覧ください。

このような分岐を進んでいただくイメージになります。

2. 本当に部下に興味がないのか?真実を見抜くための1on1の進め方

それでは、本章では1on1の進め方を具体的に解説していきます。
1on1での見極めが今後の上司の方が進む道を決めるため、とても重要なフェーズです。

1on1では2つのポイントがあります。
①前提条件:小学生~大学生までの人生を語ってもらえる関係性を築けていること
②進め方:ライフグラフを活用し、返報性の原理に則り進めていく

順番に解説をしていきます。

1)前提条件:小学生~大学生までの人生を語ってもらえる関係性を上司と築けているか?

上司の方にとって、自分の小学生~大学生までの人生を語ることは、負担がとても大きいです。
そのため社長との関係性次第で、どのくらい本当のことを深く語ってくれるかが、かなり変わってきます。

上司が人に興味があるのかないのか、それを判断するだけの情報を得るためには、
少なくとも下記の前提条件をクリアしている必要があります。

①社長に対する心理的安全性が十分である

社長と上司の間で、ある程度は何でも言い合えるような”心理的安全性”が必要です。
例えば上司の方に、「社長にはあまり自分のことを教えたくない」「社長と話すのはあまり好きではない」と思われてしまっている場合は、
まずは社長ー上司間の人間関係を構築するところからスタートしていただく必要があるかもしれません。

②社長と上司の間に強固な信頼関係がある

心理的安全性をクリアしていても、それは信頼関係を表しているわけではありません。
社長と上司の間に信頼関係が無い限り、本当のことを語ってはくれないでしょう。
信頼関係(=信じて、頼る関係)が出来ていなければ、自分のことを「話そう/話したい」とは思えないからです。

心理的安全性は「話してもいいかな」という気持ちを作るためのものであり、
信頼関係は「話そう/話したい」という気持ちを作るためのものです。

③上司が社長のマネジメント力を尊敬している

1on1での話題の大テーマは、”部下マネジメント”です。
社長との信頼関係があったとしても、”マネジメント”というテーマで社長のことを尊敬していなければ、上司の行動が変わることはないでしょう。
極端に言えば「社長に言われたくない」と思われてしまう可能性がある、ということです。
そのため該当テーマにおける、社長への尊敬も前提条件となります。

2) 進め方:ライフグラフを活用し、返報性の原理に則り進めていく

3つの前提条件をクリアできていれば、上司の方は社長に本当のことをじっくりと語ってくれるでしょう。
ですが、いきなり「友達いるの?」と聞いてしまうことはご法度です。
上司の方も身構えてしまうでしょうし、あらぬ誤解を招いてしまうリスクもあります。

そのため、この場では返報性の原理に則った進め方がおススメです。
つまり、社長から先に自分の過去の人生について語っていただく、ということです。

その際におススメのツールが、ライフライン・モチベーショングラフです。

上画像は一つのフォーマットですが、このような形でまずは自分のことを自己開示していきます
「あまり○○には自分のことを話していたかったから、共に経営していく仲間として改めて自分のことを知って欲しいと思っている」
といったセリフを活用し、自己開示を進めていけば、上司の方も喜んで聞いてくれるはずです。

そして一通り話し終えた後に、「○○さんは小学生時代、どんな子だったの?」と聞けば、自然と会話が進んでいきます。

3. 【1on1の結果】人間に興味がないのか?パターン1.友人がいた場合

1on1の結果、気の知れた友人が1名でもいた場合、下画像のルートを辿ります。

このルートでは多くの場合で、解決の方向へと向かいます。(解決スピードに個人差はあります)
なぜなら、人間性ではなくスキルの問題だからです。

気の知れた友人がいる=一般的な人間関係構築は可能である、と判断することができます。
ゆえに、「人間関係の構築はできるが、部下との人間関係の構築ができない」ということです。

部下との人間関係構築も、立派なスキルです。
もちろん無意識に出来てしまう方がいるのも事実ですが、技術である側面も大きいのです。

では、どのように部下の人間関係構築スキルを身に着けて行けばいいのでしょうか。
白潟総研では以下のステップをおススメしています。

このステップを歩んでいけば、多くの場合で部下との関係性を作ることができます。
このステップの中でも、「自分では出来ていると思っているものの、実は出来ていない」方が多い項目があります。

それが「メンバーの話をじっくり聞き・共感すること」です。
多くの上司は自分の話をし過ぎてしまうのです。
しかし、人間は本来自分の話を聞いて欲しい生き物です。

ゆえに、部下の話も”じっくりと”聞いていく必要があるのです。
実際に部下の話をじっくり聞いていくと、色々なメリットを享受することができます。

ここまで出来れば、部下との人間関係構築で大きく躓くことは無くなるはずです。
「この上司は部下に興味がないのかも…?」といった疑念も晴れているでしょう。

4. 【1on1の結果】人間に興味がないのか?パターン2.友人がいなかった場合

1on1の結果、気の知れた友人が1名もいなかった場合、下画像のルートを辿ります。
※このルートはかなりの時間を要します(6か月~1年)

この場合、同僚との人間関係構築プログラムに入ります。
気の知れた友人がいない=そもそも人間関係の構築ができないと判断することができます。
そしてこの場合、さらに2つの分岐があります。

それが同僚との人間関係が成功するか、失敗するか、と言う分岐です。
上画像の「成功」と「失敗」は下記の状態を表します。

・成功:人間関係の構築方法を本当に”知らない”だけだった
・失敗:人間への興味が本当に無かった

「成功」の場合は、人間関係の構築方法をマスターしてもらい、後に部下との人間関係構築のスキル習得へと移っていきます。
しかし、「失敗」の場合は、改善不可能です。この場合、部下を持たせない”プロフェッショナルコース”に進んでもらうことをおススメしています。

その道の方が、上司本人にとっても、部下にとっても、会社にとっても、より良い選択であるからです。
※ただし、こちらに該当する上司の方は5%もいなかったことは補足しておきます

ではここからは、「成功」と「失敗」をどう見分けていくのか、という内容に入っていきます。

1)「同僚との人間関係構築プログラム」の詳細と進め方


このプログラムの進め方は極めてシンプルです。
社長1名、該当の上司1名、他者との人間関係構築が得意な上司2名の計4名でご飯を一緒に食べるだけです。

その場で、社長は上司同士の間を取り持ち、仲良くなってもらいます。
ご飯を3回ほど一緒に食べに行けば、人間関係の構築は上手くいく可能性が高いでしょう。
(そのためにも、人間関係構築が得意な上司の方を連れていくのがおススメです)

このプログラムを実践して、同僚との人間関係をしっかり構築出来ている場合は、
「人間関係の構築方法を本当に”知らない”だけだった」という判断が可能です。

そのため、部下との人間関係構築にチャレンジすることができます。

しかし問題は、上司間の人間関係構築が上手く進まなかった場合です。
3回ほどご飯などに言っても、該当の上司の方が本当に「つまらない」表情をしていた場合は、要注意です。

その時点で、「人間への興味が本当に無かった」可能性がかなり高いでしょう。

そして最後、それを見極めるための質問が、「○○さんの趣味や好きなことってなに?」という質問です。
この質問をした後、もし該当の上司の方が自分の趣味について熱く語り始めた場合は、
「人間への興味が本当に無かった」という判断を下すしかありません。

根本的に興味の対象が”人”ではなく”物”にしか向かないタイプということです。
ここまで来ると改善はほぼ不可能なので、部下を持たせないプロフェッショナルコースへと進んでいただくことになります。

5. 【最後に】上司と部下の人間関係についての経営判断

ここまでの内容が「部下に興味が無い上司への対応方法」です。
しかし本編では紹介しきれなかった内容があるので、経営判断的な補足をします。

経営判断的補足:投資の価値は見極める必要がある

上記のプログラムを進めれば、ほとんどの場合、解決へと進むでしょう。
しかし、それだけの投資価値があるのか、投資タイミングは今でいいのか?という見極めは慎重にする必要があるかもしれません。

上記のプログラムを実行して成果を経るには、早くても3か月、長いと1年以上かかることもあります。
しかもその間、ただでさえ忙しい他の上司の時間も投資することになります。

投資対効果や投資のタイミングはじっくりと考えてもいいかもしれません。

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