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「社員のエンゲージメント向上施策に取り組みたい」
「何をやった方がいいのか、ある程度は見えてきた」
「カオナビやEngagement Runなどのサーベイツールでエンゲージメントは向上するのか?」

そんな方に一つお伝えをさせてください。
巷に溢れているエンゲージメント向上施策は、使い方やその目標を間違えると劇薬になります。

もちろん有効性が高いものばかりなのですが、「知らないとついハマってしまう落とし穴」が存在します。

今回はエンゲージメントを向上させる施策、高める施策として良く取り上げられる3つの施策、
・1on1
・人事評価
・MVVの浸透

それぞれについて「知らないとハマってしまう落とし穴」と「その解消方法」についてお伝えしていきます。

そもそもエンゲージメントとは何か?~向上させるメリット~

エンゲージメントとは、もともとは「婚約」「誓約」「約束」「契約」といった意味を持つ英語です。そこから意味が派生し、ビジネスでも使われるようになっていきました。

ビジネスシーンでエンゲージメントという言葉が使われるときは、
一般的には「企業と従業員がともに刺激し合い、成長し合う相互補助の関係」を表しています。

つまりエンゲージメントが高い会社は、企業と従業員がお互いの成長にコミットするため、
「業績も良く社員もイキイキと働いている」ような会社であることが多いです。

一方でエンゲージメントが低い会社は、企業と従業員がお互いの成長にコミット出来ていないため、「業績もイマイチで社員も暗い雰囲気がある」ような会社であることが多いです。

ですがエンゲージメントという言葉は、「他の言葉との違いが分からない」という声がよく上がる、曖昧な概念です。

そのためここからはエンゲージメントと似た概念である「ロイヤリティ」「モチベーション」「従業員満足度」の意味について解説をしていきます。

※ちなみに”エンゲージメント”の向上と一口に言っても従業員エンゲージメント向上、社員エンゲージメント向上、 ワークエンゲージメント向上など様々な表現があります。本記事ではこれらをまとめて”エンゲージメント”という言葉で表現しています。

※顧客エンゲージメント向上のみ、要素には含めておりません。

ロイヤリティとは

ロイヤリティとは「忠誠心」という意味です。

そのためエンゲージメントとはかなり別の概念になります。
エンゲージメントは企業と従業員とが対等な関係であることが前提です。(企業=従業員)

しかしロイヤリティは「忠誠心」という意味合いがあるので、企業の方が力関係が上なのです。(企業>従業員)

モチベーションとは

モチベーションとは、「動機付け」という意味です。
エンゲージメントとの違いは、個人で完結する概念か、周りとの関係を表す概念か、という点です。

モチベーションは噛み砕いて表現をすると「やる気」とほぼ同義であるため、本人のみで完結する概念です。
一方でエンゲージメントは”企業”と”従業員”という2つの主体が登場して初めて成立する概念です。

従業員満足度とは

従業員満足度とは「従業員が現在の仕事に満足している度合」を表す概念です。
そのため「企業の成長にコミットする」という意味を内包しているエンゲージメントとは全く別の概念になります。

満足度が高いからと言って、必ずしも企業の成長にコミットする主体性が生まれるとは限りません。

エンゲージメント向上に取り組むメリット

このように、エンゲージメントはロイヤリティとも、モチベーションとも、従業員満足度とも似て非なる概念です。

エンゲージメントを向上させていくと、
・業績の向上
・離職率の低下
・社員が主体的に動くので社長の経営が楽になる
といったメリットを享受することが出来ます。

実際に、
・スターバックス
・News Picksを運営するユーザーベース
・名刺管理クラウドを展開するSansan
などの会社ではエンゲージメント向上に取り組んだ結果、
業績が向上したという取組事例もあります。

エンゲージメントを向上させることによるメリットは大きく、
エンゲージメント向上施策を講じることは非常に重要なことです。

しかし、エンゲージメント向上施策としてよく取り上げられるものの中には、
「知らないとハマってしまう落とし穴」が存在することも事実です。
ここからはその落とし穴と解消策についてご紹介していきます。

※ちなみにですが、100名以下の規模であれば”エンゲージメント向上委員会”のような組織は基本的には必要ありません。

エンゲージメント向上施策① 1on1の導入

エンゲージメント向上施策として1on1は良く取り上げられる施策です。

1on1導入の落とし穴は以下の2点です。
①上司と部下の信頼関係が築けていないと逆効果になる
②3か月や6か月に1回の1on1は、1on1というより人事評価面談である 

①上司と部下の信頼関係が築けていないと逆効果になる

1on1の導入はエンゲージメント向上に大きな効果があります。
しかし、上司と部下の信頼関係が築けていなければ、エンゲージメントは向上するどころか低下してしまいます。

1on1は上司と部下の1対1面談です。
・部下が上司を信頼していない
・部下が上司を尊敬していない
・部下が上司を好いていない、むしろ嫌いである

このような状態での1on1は百害あって一利なしです。
信頼しておらず、尊敬もしておらず、好きでない人間と1対1で話し続けるだけでも苦痛ですよね?

そんな状態に部下の方が陥ってしまう可能性がある、というのが一つ目の落とし穴です。

解消策の方向性は2つあります。

解消策① 上司を育成する

部下から信頼や尊敬を集める人間へと上司を育成していきます。
上司の育成が完了するまでは、1on1は行わない方が賢明でしょう。

解消策② プロフェッショナルコースを用意する

上司になることが出来た方であれば、個人力は申し分ないはずです。

個人力を遺憾なく発揮する”プロフェッショナルコース”のようなキャリアステップを用意し、
そちらに進んでもらいます。

②3か月や6か月に1回の1on1は、1on1というより人事評価面談である

3か月や6か月に1回、人事評価を行うタイミングでしか1on1を行わない。
これは1on1を導入した際に良く陥ってしまう落とし穴です。

しかしそれは本来の1on1ではありません。人事評価面談を行っているだけに過ぎません。

1on1面談は本来、部下の成長に上司が伴走するための面談です。

そのため1on1で話すテーマは、最近悩みがないか、体調はどうか、仕事は上手くいっているか、どんな成長課題があるのか、などが中心となります。
かつ、上司は本人の成長に時間を使い、伴走していきます。

これが本来の1on1の姿です。

では3か月や6か月に1回、1時間の面談をするだけで伴走することが出来るでしょうか?
おそらく、出来ないと思います。

もちろん、その面談で話す内容が評価結果の伝達やその背景のみだった場合は、
さらに難しい状況になっていくでしょう。

1on1を行う上で持っていくべき考え方が、”1回の時間より頻度が大事”という考え方です。

つまり3か月に1回、1時間30分の1on1を行うよりも、1か月に1回、30分の1on1を行う方が有効です。1か月に1回、1時間の1on1を行うよりも、1週間に1回、15分の1on1を行う方が有効です。

「単純接触効果」といって、回数を重ねた方が相手に好意を持ちやすいという理論がありますが、まさにその通りです。こちらについても解決策の方向性は2つあります。

解決策① 1on1の時間を短くする代わりに、頻度を高くする

1on1というと30分や1時間くらいはやらないといけない、
という固定観念があるかもしれませんが、もちろんそうではありません。

逆に、30分や1時間というまとまった時間を確保しようとするからこそ、1on1実施が遠のいていくとも言えます。

そのため最初は5分でも大丈夫なのです。
その代わり、5分の1on1であれば毎日行いましょう。

もちろん上司の方は多忙を極めていると思いますが、1日5分であれば捻出できるのではないでしょうか。このようなやり方であればエンゲージメントも向上していくことでしょう。

解決策② メンター制度を導入する

どうしても上司の方が忙しく時間の確保が難しい場合は、
メンターを制度化し導入することも選択肢に入るでしょう。

メンター制度の導入もエンゲージメント向上に有効な施策となります。

3か月や6か月に1回の人事評価面談は上司が行う代わりに、
1か月に1回や毎日の1on1は年次の近い先輩社員が行うというやり方もあり得ます。

しかしここでも、1on1を担当する先輩の方が後輩からの信頼と尊敬を集めていなければ逆効果となってしまうので注意は必要です。

エンゲージメント向上施策② 人事評価

人事評価もエンゲージメント向上のための施策として取り上げられることが多いと思います。
人事評価の落とし穴は、下記の一点のみです。

人事評価制度の改良は効果がない

これが真実です。
人事評価にはエンゲージメントを向上させる効果はありません。

セミナーや研修で人事評価が取り上げられることも少なくありません。
しかし、多くの方が人事評価に対して過剰な期待をしているのが2022年の現状です。

そもそも人事評価を整える目的は何でしょうか…?
・社員のモチベーションを上げる
・社員を育成する
・業績を向上させる
もし上記の目的を定めているのならば、人事評価制度を導入しても何も変わらないでしょう。

人事評価制度は《社員の成果を評価することで給与や賞与を決める道具》であるからです。

したがって仮にどんな素晴らしい人事評価制度を作れたとしても、社員全員のパフォーマンスは変わりません。
人事評価制度はモチベーションをマイナス状態からゼロに持っていくことは可能ですが、
ゼロからプラスに持っていくことはできないのです。

※人事評価について詳しく知りたい!という方は下記の記事もご覧ください。

解消策 本当に取り組むべきか?もう一度考える

人事評価制度ではエンゲージメントを向上させることは出来ません。
しかし、人事評価制度が有効な施策となる状況もあります。

それが、社員のモチベーションが下がっている時です。
人事評価制度はエンゲージメントを向上させることはありませんが、

エンゲージメントを下げない効果は見込めます。

つまり、マイナス⇒0のフェーズでは効果がありますが、0⇒プラスのフェーズでは効果がないのです。

もし現在、人事評価によって社員のエンゲージメントがマイナスであるのならば、取り組む価値が出てきます。

それ以外の場合は、取り組む価値はほとんどありません。
今一度、社内の状況をじっくりと観察してみてください。

エンゲージメント向上施策③ MVVの浸透

最後のエンゲージメント向上施策が、MVVの浸透です。

ミッション・ビジョン・バリューの頭文字を取った言葉ですが、
ミッション⇒経営理念、存在意義
バリュー⇒行動指針、クレド、フィロソフィー
といった言葉で表現されることも多い言葉ですね。

MVVの浸透における落とし穴は下記の2点です。

①MVVが社長・幹部の口癖になっていないのに様々な施策を講じる
②どの会社でも掲げられるような内容になっている

①MVVが社長・幹部の口癖になっていないのに様々な施策を講じる

「MVVを浸透させる」となると、コンサル会社に問い合わせをしたり、ブランディングに力を入れたりする会社さんがとても多いです。

ですがあえて言うと「MVV」の浸透には、パワポ片手に意気揚々とプレゼンをするコンサルタントも、見た目だけカッコいいブランディングも、必要ありません。

なぜなら、人間は物事のほとんどを忘れる生き物だからです。

エビングハウスの忘却曲線によると、人間は1時間後に56%、1日後に74%、
1か月後には79%を忘れてしまっています。

そのためいくら綺麗なMVVも、ブランディングも、
作成した1週間後にはほとんどの社員が忘れてしまっているでしょう。

エンゲージメントが向上することももちろんありません。

解消法 とにかく社長がMVVを口癖にする

「偉大な経営者」と言われる方は皆揃って、繰り返し話をしていたことで有名です。

松下幸之助さんは毎朝朝の朝礼で3年間自分の想いを伝え、
セコムの飯田亮さんは目と目を合わせ100万回想いを語り、
日本電産の永守重信さんは1日100回同じことを言った、と言われています。

そうすると、社長がMVVを口癖にする⇒経営幹部がMVVを口癖にする⇒マネージャーがMVVを口癖にする⇒メンバーがMVVを口癖にする

といった形でどんどん下に伝播していきます。

この組織全体がMVVを口癖にしていくプロセスこそ、MVVの浸透です。
社内のいかなる人材もMVVを口癖にしていたら、社長にとっても非常に楽しく経営が出来るのではないでしょうか。

エンゲージメントも向上していくことでしょう。

②MVVがどの会社でも掲げられるような内容になっている

MVVは社長が口癖にしなければ、会社全体に浸透していくことはありません。
ゆえに、社長が心の底から実現したいと想うことのできる内容にする必要があります。

例えば、このような企業理念を心の底から実現したいと思いますか?
「多様化するニーズに対応し、社会の発展に貢献することで信頼される企業を目指します」
「優れた製品とサービスを提供し、お客様と社会に貢献する」

恐らく、思わないのではないでしょうか?
理由はシンプルで、どの会社でも言えるような内容になっているからです。

解消法 社長が心の底から実現したいという内容を企業理念に定める

MVV浸透の第一歩は社長がMVVを口癖にすることです。
したがって、社長が口癖にしたいと想えるような内容でなければいけません。
ゆえに、企業理念の内容は社長が「心の底から実現したい」と想える内容にする必要があるのです。

例えば下記は大企業の例になりますが、どの企業理念も事業領域が含まれており、独自性のあるものとなっています。

Meta:「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現します」
メルカリ:「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る
クックパッド:「毎日の料理を楽しみにする」

ここまで具体的になれば、社長の想いも込められており、口癖にしていけるのではないでしょうか。

以上、今回は「知らないとハマってしまうエンゲージメント向上施策の落とし穴とその解消策」についてご紹介させていただきました。

他のコラムも発信しているので是非見てみてください~!

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