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「最近社員の活力が低い気がする…」
「エンゲージメントを高める施策をやりたいけど、いったいどうすればいいのか…」
「エンゲージメントサーベイを導入したけど、導入しただけでスコアを高められていない…」
こんなお悩みを抱えていらっしゃる人事担当者の方は多いのではないでしょうか。
実際、多くの企業様がエンゲージメントサーベイを導入した後、スコアを高めていくための施策の実行に困っていらっしゃいます。
エンゲージメントがどういったものであるかを理解し、測定まではしたものの、その後どうやって改善につなげていけばいいのでしょうか。
多くのポイントがありますが、今日はその中でも盲点となりがちな「休み方」に着目をして、エンゲージメントを高めるための大切な考え方を紹介していきます。
ぜひ組織のエンゲージメント向上施策を考える際に参考にしてみてください!
ワークエンゲージメントを高めるためには、「良い休み方」が必要!
社員のパフォーマンスを上げよう、ワークエンゲージメントを高めようということを目標としている企業は、施策として主に「働いているとき」に焦点を当てがちです。
もちろんそれも大切で、成果に直結する施策ではあります。しかし、その中で意外と軽視されがちなのが「働いていない」時間帯の過ごし方です。
働いていない時間をどう過ごすかは仕事のパフォーマンスを高められるかに大きく関わっており、さらにそれによって仕事への満足度、つまりワークエンゲージメントが高められるかどうかも大きく変わってくるのです。
そのため、エンゲージメントを高めることを目指している企業にとって、この休み方というのは軽視してはならないものなのです。
まずはその原理をご説明します。
ここでは簡略化しておりますが、より詳細なデータが厚生労働省から出されていますので、ご興味がありましたらそちらも併せてご覧ください!
エンゲージメントを高めるため、休み方が重要な理由
結論、至極単純ですが休み方が不十分だと、仕事に復帰した際にパフォーマンスを高めることが難しくなるからです。
当然ながら、パフォーマンスが高まらないとエンゲージメントも高められることはありません。
就業と休息のメカニズムは、先行研究によると以下のようなサイクルで構成されていると言われています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
①就業
→疲労やストレスの向上
⇩
②「活力」「心理的資本」の低下
→疲労とストレスによる活力と個人の資源(=心理的資本)が枯渇
⇩
③リカバリー(★いわゆる休み、休息)
→休息によって活力を回復
⇩
④就業復帰
→休息による活力と個人の資源の回復による良質なパフォーマンス
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このサイクルの中で、③リカバリーをうまく行えないと、④就業復帰の際に万全な状態にならなくなってしまいます。
それでは会社内でどれだけ社員が働きやすい環境を整えたり、組織作りを改善したとしても、従業員一人一人のパフォーマンスとエンゲージメントは最大化されません。だからこそ、従業員がしっかりと「良い休み方」ができるような施策に取り組み続けることが必要なのです。
エンゲージメントを高める4つの「良い休み方」
「良い休み方と言われても、それって具体的にどんなこと?」
と疑問に思われたことと思います。
厚労省のレポートによれば、エンゲージメントを高めるリカバリーの仕方(=休み方)には4つの種類があるとされています。
①心理的距離
「心理的距離」とは、物理的、および心理的に仕事から離れることができている状態であり、仕事に関することを考えてなくて済んでいる状態を指します。
②リラックス
「リラックス」とは、心身の活動量を意識的に軽減させて、くつろぐことができている状態を指します。
③熟達
「熟達」とは、余暇時間における自己啓発の実施を指します。
④コントロール
「コントロール」とは、余暇時間に何をどのように行うのかを、自分で決めることのできる状態を指します。
以上の4つの休み方が実現できている状態が、「良い休み方」だと言うことができるでしょう。
休み方とワークエンゲージメントを高めることの関係性
この良い休み方を実現することと、ワークエンゲージメントを高めることは直結しているのでしょうか。
厚生労働省が出している同レポートによれば、「心理的距離」「リラックス」「熟達」「コントロール」という項目を満たした休み方ができている場合には、社員は仕事中の過度なストレスや疲労から回復できており、その後再び就業する際にワークエンゲージメントや労働生産性が向上しているという結論が出されています。
また、この休み方とワークエンゲージメントとの間の相関は「労働強度が高い人手不足企業」においてより強まっているとも言及されています。
中小ベンチャー企業は一人一人の仕事の強度が高く、人手不足であることも少なくありません。そんな中小ベンチャー企業にこそ、この「良い休み方」を実現するための施策は効果的であると解釈できるでしょう。
「しっかり休みましょう!」と呼びかけるだけでは当然ながらエンゲージメントを高めるための施策として不十分です。
従業員が良い休み方をし、しっかりとリカバリーできるように会社として様々な形で支援を講じていく必要があります。
日本の現状から導く4つの休み方の特徴
ここでは、厚生労働省が行った調査を基に、上記で4つに分類した良い休み方の要素ごとに分析を行い、それぞれの特徴を定義していきます。
今回定義する特徴を基に、自社のエンゲージメントを高めるうえでの課題となっている可能性があるかどうか、仮説をたててみるのにご活用ください!
①心理的距離
自己評価として、「心理的距離」を満たした休み方ができていると回答した人は全体の66.1%となっています。
過半数ではあるものの、まだまだ十分な水準ではありません。また、この心理的距離においては、課長、部長などの役職者、50人~500名程度の小~中規模の企業、30~50歳で企業の中核となる年代、といった特徴にあてはまる場合は割合が下がることが明らかになっています。
また、男性よりも女性の方が心理的距離を保てている割合が高くなっています。
これらから、「心理的距離」については
①全体として満たせている割合が低い
②責任ある立場になればなるほど満たせなくなる
③小~中規模の企業で低い傾向がある
④男性の方が満たせない傾向がある
といったところが特徴だと考えられます。
②リラックス
自己評価として、「リラックス」を満たした休み方ができていると回答した人は全体の83.6%となっています。
心理的距離と比べると、比較的高い水準であると言えます。しかし、心理的距離と同様に、課長、部長などの役職者、50人~500名程度の小~中規模の企業、30~50歳で企業の中核となる年代、といった特徴にあてはまると、その割合は低下する傾向にあります。また、こちらも女性よりも男性の方が割合が低い傾向にあります。
これらから導ける「リラックス」の特徴は、
①全体として満たせている割合は高い
②責任ある立場になればなるほど満たせなくなる
③小~中規模の企業で低い傾向がある
④男性の方が満たせない傾向がある
となります。
③熟達
自己評価として、「熟達」を満たした休み方ができていると回答した人は全体の22.2%でした。
上記2つと比べると、圧倒的に低い水準にあります。
より詳しいデータを見てみると、これを満たせていると回答した人の割合は年齢が高くなるにつれて上がっており、同時に企業規模が増大するにつれてその割合は高くなっていきます。また、男性の方が女性に比べて「できている」と回答した人の割合が高いです。
これらから導ける「熟達」の特徴は、
①全体として満たせている割合が低い
②企業規模が小さい場合は満たせている割合がより低い可能性がある
③女性の方が満たせていない傾向がある
というところになります。
④コントロール
自己評価として、「コントロール」を満たした休み方ができていると回答した人は全体の75.0%でした。比較的高めの水準であると言えます。
より詳しく見ると、「心理的距離」や「リラックス」と同様に、課長、部長などの役職者、50人~500名程度の小~中規模の企業、30~50歳で企業の中核となる年代といった特徴にあてはまると、その割合は低下する傾向にあります。また、こちらも女性よりも男性の方が割合が低い傾向にあります。
これらから、「コントロール」については
①全体として満たせている割合は高い
②責任ある立場になればなるほど満たせなくなる
③小~中規模の企業で低い傾向がある
④男性の方が悪い状態にある傾向がある
となります。
総括&示唆
上記が4つの要素ごとの分析となりますが、傾向として共通している部分が多くありました。
ここから得られる示唆としては、
・役職者など、責任あるポジションにいる人は良い休み方ができておらず、エンゲージメントが低い可能性がある
・女性よりも男性の方が良い休み方ができておらず、エンゲージメントが低い可能性がある
といった2点があげられるかと思います。
今回用いたデータとより詳細な分析は以下のURLのP.259にグラフ付きで掲載されていますので、ご興味のある方は合わせてご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-3.pdf
上記のような特徴に自社の状況、および従業員の状態が当てはまっている場合、一度しっかりと休み、リカバリーができているかどうか、またエンゲージメントが下がっていないかどうか調査してみてはいかがでしょうか?
良い休み方を実現し、ESを高めるためのポイント!
ここまでで、休み方の重要性と良い休み方の特徴については解説することができました。
次は社内で「良い休み方」を実現し、ワークエンゲージメントを高めていくために、押さえておくべき重要なポイントを紹介します。
バウンダリーマネジメント
バウンダリーマネジメントというこの単語、聞き馴染みのない方も多いのではないでしょうか。
実はこのバウンダリーマネジメント、ワークエンゲージメントを高める従業員の休み方を実現するうえで、非常に大切になる考え方です。
バウンダリーマネジメントとは?
バウンダリーマネジメントとは、「仕事と余暇時間の境目をマネジメントする能力」を指す言葉です。
このバウンダリーマネジメントができている方であればあるほど、ワークエンゲージメントが高くなっているというデータが厚生労働省の調査から示されています。
このバウンダリーマネジメントが上手くできている人は、特に以下の習慣が身についていると言われています。
①自己管理力の向上
普段から自己管理力を高めて仕事を時間内、もしくは月~金曜日の中でキッチリと終わらせていることで、仕事から心理的距離を保ち、良い休み方を実現しています。
また、休みの中でも何にどれくらい時間を使うのかという計画をしっかりと立てて時間を過ごしている人は往々にして充実しており、リフレッシュできている割合が高いです。
②普段からプライベートの話を職場で行う人間関係を構築
この人間関係の構築も、実は非常に重要な要素です。
職場で関わる人と仕事上の付き合いしかなく、コミュニケーションが不十分な場合、プライベートを一緒に過ごすことはありません。
人間関係が構築できていれば、普段から趣味の話をして一緒に出掛けることもできるかもしれませんし、それによって休みが充実してリフレッシュできるということも考えられます。
③余暇時間に仕事が気にならないよう、計画的に業務処理
少し①とも被っている部分もありますが、仕事から心理的距離を保つための一番良い方法は仕事を「持ち越さないこと」です。そうすることで、気持ちを仕事から休みへきっかり切り替えることができます。
この点を意識して普段から業務に当たれている人は、エンゲージメントも高い状態を保てています。
バウンダリーマネジメントに関しての認識の課題
このように、エンゲージメントを高めるために非常に重要な考え方であるバウンダリーマネジメントですが、まだまだ企業側も、従業員側も、認識、意識できていないというのが大きな課題と言えます。
厚労省のリサーチによれば、「企業が正社員に向上させて欲しいと考えている能力・意識」をみると、「仕事と余暇時間の境目をマネジメントする能力(バウンダリー・マネジメント)」を挙げる企業は、15.6%にとどまっています。
同様に、「正社員が向上させたいと考えている能力・意識」をみても、この能力を挙げる正社員は、16.8%にとどまっています。
バウンダリーマネジメントをめぐる課題としては、労使ともに、その重要性について十分に認識できていない状況にあることがうかがえます。
エンゲージメントを高めるために休み方を改革したいと考えている企業は、まずこのバウンダリーマネジメントの重要性を周知するところから始めてみてはいかがでしょうか?
「休み方」を整えて、ワークエンゲージメントを向上!
今回は、ワークエンゲージメントを高めるための「良い休み方」とそれを実現するための考え方「バウンダリーマネジメント」を紹介しました。
せっかくエンゲージメントサーベイを導入しているのであれば、しっかりと施策に繋げてエンゲージメントを高めていきましょう!休み方を整えることは、エンゲージメントスコア(エンゲージメント・レベル)の高め方として非常に有効な施策のうちの一つです。
今回の記事がその一助となれば幸いです。
コラムではエンゲージメントについて、「エンゲージメントとは?」といったような、より基本的な知識や他の方法論もご紹介しておりますので、そちらも併せてぜひご覧ください!
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