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働き方改革の施策として、副業の解禁が注目されている現代。実際に解禁に踏み切る企業も増えています。しかし、「社員の過重労働につながらないか」、「情報漏えいにつながるのではないか」といった懸念があることも事実です。

このような問題を未然に防ぐため、副業規定として社員の副業を制限することは可能なのでしょうか。今回は、副業規定の例や作成時の注意点も合わせて紹介します。

企業が副業を禁止する法律的な問題

副業を解禁する企業が徐々に増えてきている一方で、依然として就業規則によって副業を禁止している企業も少なくありません。しかし、退社後や休日は原則として社員の行動を制限できず、副業を禁止すること自体が法律的に問題ないのか疑問に感じる方も多いことでしょう。

そこで、企業は社員に対して副業を禁止できるのか、法律上の観点から詳しく解説します。

企業は原則として社員の副業を禁止できない

大前提として、日本の憲法では「職業選択の自由」が規定されています。本人の意志によってどのような職業に就くかは自由であり、特定の資格や経験が求められる職業を除き、第三者が就業を制限することは原則としてできません。当然のことながら、社員が複数の仕事を掛け持ちすることは本人の自由ともいえます。

さらに、副業というキーワードにクローズアップしてみると、労働基準法などの法律においても、企業が社員に対して副業を禁止できる旨は明記されていません。したがって、企業が従業員に対し副業を明確に禁止することは、法律上原則としてできないことが分かります。

では、なぜ就業規則によって副業を禁止している企業が多いのでしょうか。企業によっても理由はさまざまですが、典型的な例としては社員の健康管理や本業への影響を懸念しているケースが挙げられます。

また、公務員に関しては例外的に副業が法律によって禁止されています。

政府が副業を推進

副業を禁止するにはさまざまな理由がありますが、政府は働き方改革の一環として、明確に副業を推進する方向に舵をとりました。そのため、企業としても今後は副業を解禁することが望ましいといえるでしょう。

2018年1月、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表したほか、企業の就業規則を作成する際の参考例として公開している「モデル就業規則」内にも「副業・兼業」の項目が新設されました。ちなみに、モデル就業規則のなかでは、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。」と明記されています。

【規制が必要?】企業が副業規定を設けるべき理由

企業が今後副業を解禁する場合、経営上のリスク防止の観点から一定の規制が求められることもあります。具体的にどのようなリスクを想定して社員の副業を規制すべきなのでしょうか。いくつかの事例を解説しましょう。

同業他社の社員として働くことで自社の利益を阻害する

本業で培ってきたスキルやノウハウ、経験を副業にも生かしたいと考える社員も少なくありません。しかし、このような場合、同業他社を副業先として選ぶことも想定され、結果として以下のパターンにあるような自社の利益を阻害する懸念も生じます。

  • 自社で得た業務上のノウハウが同業他社に流出するおそれ
  • 機密情報や営業情報が他社に流出するおそれ
  • 社員が同業他社へ流出するおそれ

上記のような自社の利益が阻害されるリスクを防ぐためには、副業として同業他社への勤務を禁止するなどの規制が必要といえるでしょう。

本業に支障をきたすおそれがある

労働基準法では、副業・兼業する場合においても、本業との合計労働時間は1日8時間、週40時間が原則とされています。しかし、本業だけですでに所定の労働時間に達しているケースも多く、副業を容認することで社員が十分な休息ができず業務に支障を与える可能性が考えられるでしょう。

また、長時間労働だけでなく、労働災害による本業への影響が懸念されることも事実です。たとえば、危険をともなう業務を副業として認めた場合、副業中に事故やけがをして本業も休養せざるを得なくなるリスクがあります。

このように、長時間労働や労働災害による健康上の被害から社員を守るためにも、副業を禁止または一定の制約を設けることも企業として重要な責務です。

副業規定に記載すべき内容と注意点

さまざまな課題があるなかでも、企業として副業の解禁に踏み切る場合もあるでしょう。そこで、就業規則には副業・兼業についてどのように明記すれば良いか、記載時の注意点を解説します。

また、働き方改革の一環として副業の解禁は人材採用時に大きなアピールにもなります。副業の解禁を採用における強みとしてアピールする際の注意点も合わせて解説しましょう。

「モデル就業規則」における副業規定例

就業規則へ副業規定を追記する場合には、モデル就業規則にも記載されている以下の文面を参考にすると良いでしょう。

以下、「厚生労働省|【全体版】モデル就業規則」より引用

労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。

また、副業そのものは解禁するものの、一定の条件下で禁止または制限できる例としては以下のような項目が挙げられます。

  • 労務提供上の支障がある場合
  • 企業秘密が漏えいする場合
  • 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
  • 競業により、企業の利益を害する場合

上記の例は業種を問わず幅広く規定できる内容ですが、これ以外にも社内で検討し、禁止や一部制限しなければならない項目があった場合には、必要に応じて内容を追加しましょう。

副業規定を制定する際の注意点

副業規定の制定にあたっては、禁止または制限しなければならない項目について労使間で十分な話し合いの場を設け、お互いが納得したうえで制定することが重要です。

副業の禁止または制限の条件によっては、社員にとって不利な制約となるケースも少なくありません。禁止または制限の範囲が適切であるかを十分に見極め、自社の利益と社員の利益の双方を守るものでなければなりません。

なお、当然のことではありますが、副業の相談や自己申告を行った社員に対して、企業は不利益な扱いはできません。

人材採用における注意点

副業解禁を自社の強みとして人材採用につなげる場合、採用時のトラブル防止のために十分な説明が必要です。特に若年層は副業を希望する割合が高い傾向にあり、就職や転職先の選考にあたって大きな要素となり得ます。

会社説明会などで、単に「副業可」とだけ説明してしまうと、求職者のなかには「どのような副業でも自由にできる」と誤解を招くケースもあるでしょう。そのため、入社後のトラブルを避けるためにも、副業規定として定められている内容を説明することが重要です。

たとえば、「競合他社への勤務など、自社の利益を害する可能性がある副業は禁止」、または「申請によって認められた場合のみ副業可」など、誤解を招かない説明を行いましょう。

企業と社員の利益を守るためにも副業規定は重要

本来、企業は社員の副業を禁止できないのが原則であり、社員が副業を希望した場合には容認することが求められます。また、政府は働き方改革の一環として副業を推進する方向へ舵をきったことで、今後副業を解禁する企業は増えていくと考えられます。

ただし、無条件に副業を認めれば良いというわけではなく、企業の利益を損なう恐れがある場合や、社員の健康を阻害する可能性があるなど、合理的な理由がある場合には、一定の制限や禁止が求められることも事実です。これは企業としての利益を守ることはもちろんですが、社員の健康や利益を守ることにもつながります。

これから副業の解禁を検討している企業は、モデル就業規則なども参考にしながら副業規定を制定しましょう。


参考:

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