【2026年 採用トレンド予想 Vol.3】「ストーリー」で惹きつけ、「ファン化」する時代へ
こんにちは。白潟総合研究所の永田です。
今回のコラムのテーマは、
『2026年採用トレンド予想「ストーリー」で惹きつけ、「ファン化」する時代へ』です。
ぜひご覧頂けると嬉しいです。
目次
序章:採用がうまくいかない本当の理由
求人は継続的に出している。
条件も悪くない。
媒体も複数使っている。
それでもなぜか決まらない。
この違和感の正体は何でしょうか?
答えはシンプルです。
いま、候補者は「求人」を見ていない。見ているのは「ストーリー」だということです。
私は2026年の採用は、「条件競争」ではないと考えています。
媒体競争でもありません。
どんな未来を語れるかの競争です。
そして、その未来に共感した人が、
やがて企業の“ファン”になり、仲間になる時代に入っています。
本記事では、
・なぜ「共感」が採用の中心になるのか
・なぜ「ストーリー」が最強の差別化になるのか
・なぜ「ファン化」がこれからの採用戦略の核になるのか
について書いていきます。
少しでも、「採用に向き合う姿勢の変革」に繋がるヒントになれば嬉しいです。
第1章:2026年、採用活動で重視される「共感」
⚫︎ 労働市場の構造的転換
日本の採用環境を語る上で、避けて通れないのが人口構造の変化です。

生産年齢人口は長期的に減少し続けており、この流れが逆転する兆しはありません。
つまり、採用難は一時的な問題ではなく、構造的な現象です。
これは企業にとって何を意味するのでしょうか。
それは、「企業が選ぶ側」から「企業が選ばれる側」へと立場が反転したということです。
かつて企業は情報優位に立ち、応募者の中から選抜する存在でした。
しかし現在は、候補者が企業を比較し、選び、意思決定する時代です。
さらに重要なのは意思決定の基準の変化です。
人はもはや、
・給与
・福利厚生
・肩書き
だけで動いていません。
重視しているのは、
・その会社は何のために存在しているのか
・自分の人生とどう接続するのか
・この挑戦は誇れるものか
という「意味」に共感できるかです。
⚫︎ 共感ベース採用は“経営そのもの”
では、「共感」をベースにした採用とは何か?
それは、
「企業の存在理由・未来像を言語化し、
それに共感する人材を引き寄せ、ファン化する戦略」だと思っています。

ここで重要なのは、これはマーケティング施策ではない、という点です。
共感の源泉は、
・経営理念
・ビジョン
・創業ストーリー
・経営者の思想(=らしさ)
にあります。
つまり、採用力=経営力とも言える時代に突入しているのではないでしょうか。
第2章:「ストーリー」で採用する時代へ
⚫︎ 人は「Why」に共感する
いまや候補者は、
・口コミサイト
・SNS
・AIによる情報要約
・企業比較ツール
を使い、瞬時に情報を把握できます。
求人票に美辞麗句を並べても、実態と乖離していれば即座に見抜かれます。
残るのは、本質だけです。
それが「Why」だと思っています。
サイモン・シネックのゴールデンサークル理論にもある通り、
・What(何をしているか)
・How(どうやっているか)
・Why(なぜやるのか)
人が動くのはWhyです。
⚫︎ ナラティブ理論:人は物語で理解する
心理学におけるナラティブ理論では、
人は物語構造で世界を理解するとされています。
ストーリーは、
・記憶に残る
・感情を動かす
・自己投影を可能にする
という効果を持ちます。
求人票は「情報」、ストーリーは「体験」です。
採用活動の本質は、どれだけ“ストーリーを語れるか”に移行しています。
第3章:条件ではなく「ストーリー」を選んでいる
⚫︎ 辞退理由の本質は「不安」
Z世代・ミレニアル世代は、
目的意識・社会的意義・成長機会を重視します。
多くの辞退理由は「条件不足」ではありません。
本質は、未来が見えない不安です。
企業がストーリーを語れないと、候補者は未来を想像できません。
想像できない未来に、人は自分の限られた人生の時間を捧げようと思いません。
第4章:「ファンベース」という視点
ここで重要になるのが、「ファンベース」の考え方です。
ファンベースとは、
「自社に好意を持ってくれる「コアファン」と「ファン」をベースに企業活動を行うこと」
(出所:著「ファンベース」 清水直之)

これはマーケティングの概念として広まりましたが、
採用においても極めて有効です。
2026年の採用は「母集団形成」ではなく、
「ファン形成」に変わっていくと思っています。
ファンには3つの特徴があります。
1. 継続的に情報に触れ続けてくれる
2. ポジティブな口コミを生み出す
3. 企業のことを応援してくれる
ファンベース採用の本質は、“共感の深さ”を最大化することであり、
企業との接点の中で候補者を”ファン”にしていくことです。
そのポイントになってくるのが、ストーリーです。
企業がストーリーを候補者に語り、共感を生み、愛着を持ってもらい、信頼される。
その循環を採用活動の中で生み出すことが、
「選ばれる企業」になるためには必要不可欠だと思っています。
第5章:AI時代に残るのは思想であり、ストーリー
AIは情報整理を極限まで効率化しました。
しかし、AIは共感を生みません。
企業比較はできます。平均年収も算出できます。
ただ、「この会社と未来を創りたい」という感情は、ストーリーからしか生まれません。
私は「AIが進化するほど、人間らしさが価値になる」と思っています。
終章:採用は「未来の共創者を探す営み」である
2026年以降の採用は、
求人媒体の競争ではありません。
条件競争でもありません。
どんな未来を語れるかの競争です。
条件は比較されます。
しかし、
ストーリーは記憶されます。
そして記憶は、やがて共感に変わる。
共感はファンを生み、ファンは仲間になる。
「採用活動とは、ただ人材を確保するだけではなく、未来の共創者を探すことだ。」
私は最近このように感じています。
あなたの会社には、心から信じて語れる物語がありますか?
もしあるなら、それを語りましょう。
もしないなら、まずはそれを言語化し、見つけることから始めましょう。
・なぜこの事業をしているのか
・どんな価値を社会に提供していきたいのか
・どんな価値観を持っている人材と未来を創りたいのか
・N年後どんな世界を創るのか など
企業独自の「ストーリー」を言語化し、語れる状態にすること。
2026年を生き抜く企業は、「求人内容」を強くする企業ではありません。
「ストーリーとして、物語を語り、ファンをつくれる企業」です。
採用はとても意義深い仕事だと思っています。
だからこそ、時代の変化に抗うのでなく、変化していくことが大切です。
その先に、「この場所で未来を共に創りたい」と思ってくれる人材との出会いが待っているはずです。
2026年も、採用活動に真摯に向き合っていきましょう。
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