【次の管理職がいない…】社員が「なりたい」と思う会社は、何が違う?【ノアインドアステージ/大西雅之代表/後編】

動画でわかること

  • 支配人会議は数字を詰める場ではなく、良い事例を発表し合う場
  • 支配人への昇格は自薦と上司推薦、そして次長以上へのプレゼン
  • 社内の支配人養成塾で「支配人の魅力」を伝える
  • 責任を感じすぎたら1回下がって、整理して復活する人もいる
  • 買収価格は4社中3番目でも「ダントツ1位」で選ばれたM&A

1分で読める要約

「責任が増えるだけ」と管理職になりたがらない社員に、会社は何ができるのか。後編では、ノアインドアステージで支配人(事業所の責任者)が育つ仕組みを伺いました。毎月の支配人会議は数字を詰める場ではなく、伸びている事業所の支配人が取り組みを発表し合う学びの場です。支配人への昇格は、本人が手を挙げ、上司の推薦を受けたうえで、次長以上の前でプレゼンして決まります。

社内の支配人養成塾では、現役の支配人が「支配人の魅力」を伝えています。昇格後に責任の重さでつまずいたら、一度役割を下がって気持ちを整理し、また上がってくる人もいるそうです。「あんな支配人になりたい」と思える先輩が社内にいることが、管理職を育てるいちばんの近道だとわかります。

最後には、70歳を迎える7年後に20社・300億円規模のグループを目指すビジョンと、買収価格は4社中3番目でも「ダントツ1位」で選ばれたM&Aのエピソードも語られています。

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00:00 ダイジェスト
00:29 本編開始
00:50 支配人の育成
04:12 支配人選定の基準
08:34 次の10年のビジョン
12:37 エンディング
12:53 エンドカード

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文字起こし(音声認識)を読みやすく整形したものです。実際の発言と細部が異なる場合があります。

本編開始

石川:後半戦も、白潟総研チャンネル、引き続き大西社長にお話を伺ってまいります。よろしくお願いします。前半戦では、ノアインドアステージさんがどんなふうに経営を伸ばしてきたかをお伺いしました。後半戦では、その中でも特に支配人の育成について。白潟総研としても幹部育成は今すごく研究しているテーマなので、ここをお伺いできたらと思います。

支配人の育成

大西:支配人は今、35店舗あるので兼務している人もいて、30人ちょっといます。支配人の上には次長がいて、その上に部長がいます。我々の支配人会議は、ある意味で研修の場になっているというか。数字の報告もやりますが、基本は詰める会議ではなく、できるだけいい事例、いい支配人の話を発表してもらうんです。

石川:支配人会議は、どれくらいの頻度で、どれくらい時間をかけてやっているんですか?

大西:毎月です。以前はずっとリアルでやっていましたが、今は全国から集まるので、3カ月に1回はリアル、あとの2回はオンラインでやっています。リアルは1日、オンラインの場合は4時間です。

石川:管理職・幹部育成がうまい会社さんは、その会議を育成の場にしているとよく聞きます。大体、時間をしっかり取ってやっている印象です。

大西:エリアが3つあって、エリアごとに2〜3人が発表します。その1カ月で起きたいい事例の共有を通して、育成の場にもなっています。何をやったかも大事なんですが、伸びている事業所には理由があるはずなので、どういう支配人が現場の人と向き合い、どういうふうに現場に当事者意識を持たせているか。今いちばん伸びているところなんかは、現場の人たちにいかに当事者意識を持たせるか、一人ひとりが経営者というか、責任を持つというか。そういうふうに現場の人に接して考えを浸透させているんだな、というのを支配人が発表する。すると他の支配人が聞いていて「そういうふうにやったほうがいいんだな」と。リーダーシップにもいろいろパターンがあっていいと思うので、お互いに発表し合って、自分に合うものを探してもいいし、その日から現場でやってみようと刺激をもらってもいい。あり方ややり方を、お互いに学び合っている場ですね。

石川:まさに前半戦の心理的安全性のお話が、支配人の中でもつくられていて、お互いに刺激し合っているんですね。

大西:それで物足りなかったら、現地に行って、月1回その優秀な支配人に面談してもらっている人もいます。それは社内の部分で、あとは社外の理念が浸透している会社に、希望者を募って見学に行ったりもします。朝礼や会議の様子を見せてくれるところがありますよね。そこでヒントを得て、社内に落とし込むのが上手な人は落とし込んでやっています。常に変わらないといけない、もっともっと自分を変革しよう、という雰囲気にはしていますね。「このままでいいよ」というところには置いていない。もっと成長して、部下を幸せにしようという気持ちになるようにしています。

石川:もしかしたら、これを見ていただいている経営者さんも、ノアさんに見学に行きたいという方がいらっしゃるかもしれません。

大西:全然大丈夫です。支配人会議や発表会などを他社さんに見ていただいたこともありますし、皆さんに来ていただいていますよ。

石川:僕も今度ぜひお邪魔させてください。見学に行きたい、学ばせてほしいという方がいらっしゃったら、直接でもいいですし、我々もおつなぎしますので、お声がけいただけたらと思います。

支配人選定の基準

石川:支配人の方々は、めちゃくちゃ素晴らしい方が集まっていそうだなと思うんですが、どういう人を支配人にするか、昇格や任命の基準はあるんですか?

大西:ヘッドコーチから支配人、支配人から次長に上がるときは、本人が5分とか10分のプレゼンをして、次長以上が審査して合格か不合格かを決めます。それは上からの推薦ですね。当然、上がりたい人ですよ。上がりたい人の中で本当に推薦できる人を、3カ月に1回ずつ募って、その都度プレゼンをしてもらいます。

石川:これはめちゃくちゃいい仕組みですね。まず自分がやりたいと手を挙げたうえで、直属の上司から推薦をもらえないとプレゼンの場が与えられない。上の人間に認められないといけない、組織がうまく機能しそうな構造です。ちなみに、皆さんテニスが好きでコーチになるじゃないですか。管理職になりたがらない人が多そうな職場ではないかと思うんです。

大西:昔は多かったですね。今でもやっぱり責任が増えるので、そういう人はいます。でも社内でリーダー塾や支配人養成塾というのをやっていて、推薦でそこに参加してもらい、支配人の魅力を伝えています。今は手を挙げてなりたい人が出てきていますね。

石川:社内のリーダー塾や支配人塾は、支配人になりたい人が入る塾なんですね。そこでマネジメントの面白さを伝えていく。これはめちゃくちゃ参考になります。IT業界のお客様などで、管理職になりたい人がいないと悩んでいる会社はすごく多いと思うんです。

大西:みんな現場上がりなので、たとえば営業ですごい成績を出した人が営業マネージャーになってもなかなか難しい、ということがありますよね。我々も、テニスコーチとしてはすごかった人が上に立つと、難しい場面が出てくる。自分がやったほうが早いみたいなところがあるじゃないですか。だからどうしても自分がやってしまう支配人もいました。いかに人にやってもらって、自分は視座を上げて見ていくか、というのがなかなか難しい。課長になると責任が全然変わってきて、力を発揮できないケースもあります。そういうときは、一度下がって、もう一度気持ちを整理し直して復活する人もいますね。

石川:ここも仕組みというか構造ですね。過去に一度下がって心を整理して、そこからまた上がってうまくいった、というストーリーがあるからこそ、それが当たり前のようになされていく。僕らもお客様のご要望で幹部研修を提供したりしますが、知識を得る、トレーニングする分にはいいけれど、本当に「自社で管理職になりたい」と思ってもらおうと思ったら、社内でマネジメントをやっている人たちが行う塾ほどいいものはないと思います。

大西:みんな得意・不得意があるので、うまく分けて、みんなで分担してやっていますね。

石川:社内で塾をつくりましょう、というのは、もしかしたら究極の管理職養成の仕組みかもしれませんね。

大西:憧れる支配人、憧れるブロック長、そういう人をつくることで「ああいう支配人になりたい」という人が増えてきた、というのもあるんじゃないですかね。

石川:確かに。これは究極の本質ですよね。「あの人かっこいい、あの人みたいになりたい」という人が社内にいるかどうか。お客様と接する中ですごく思うんですが、社長が本当にいい社長かどうかは、その会社を継ぎたいという人が社内に何人いるか、というのが通信簿だと思っていて。自社で管理職になりたい人がいないというのは、もしかしたら今の管理職たちの通信簿なのかもしれないですね。そういうかっこいい支配人が生まれてきたのも、15年前、17年前に大西社長がまず自分が変わって、理念経営をして積み上げてきた結果ですよね。

大西:最初のころは支配人がしんどそうだったので、みんな全然なりたがらなかったです。現場に立ち続けて、コーチとしてスキルを教えたいという人はいっぱいいたんですが、フロントさんも含めて全体の上に立って支配人をやろうという人は少なかったですね。

石川:10年刻みで会社の時代を分けるとしたら、最初の10年はテニスブームに乗って伸びた時期。ただそこで組織の壁にぶつかり、大西社長も変わり、理念経営もして、組織の力で伸びたのが次の10年。そして直近の10年は、そこで生まれたかっこいい支配人、次長、部長に「自分もなりたい」という人が続き、素晴らしい幹部や支配人が生まれていくリズムの中で伸びてきた10年間。僕も、自分のあり方から見直していくように、大西社長に弟子入りしたいと思います。

次の10年のビジョン

石川:そんな中で、次の10年もまたすごいビジョンを描いていらっしゃいますよね。ぜひお聞かせください。

大西:私ももう63歳になりましたので。まだ大企業にはなっていませんが、ここまで来られたのは本当に人のおかげです。やっと経営がわかってきたというか。業種はサービス業ですが、ピープルビジネスなので、特に人を大事にしないといけないと思ってやってきました。時代の背景として、これから人口減少で余計に人手不足になると思うんです。AIで補える部分もありますが、組織が原因で退職するケースもやはりあると思う。そこに対して、我々が得意な人との関わりで、世の中に何か貢献できないかと。白潟総研さんもやられているコンサルのような分野も含めて、今まで培ってきたもので世の中に何か恩返しができたらと思っています。

大西:今はグループ全体で100億円ぐらいの会社なんですけれども、私が70歳になる7年後には20社ぐらい会社をつくって、300億円ぐらいの会社にしたいと、数字的には思っています。ノアインドアステージだけで言うと70億円ぐらいの会社ですが、そこの社長は1人だけです。今、支配人や次長が育ってきていて、その人間たちの中には、テニスのビジネスで独立したい人間もいれば、全然違う業種でも社長になりたい人間も出ています。ビジネスパートナーさんの中にも、我々にジョインしたい、グループの1社の社長になりたいという話もいただいています。人を大事にする経営をたくさんつくって、人を大事にして利益の出るビジネスモデルにして、世の中に貢献していく会社をこれからもたくさんつくっていきたい。もともとはテニスからできてきた会社ですが、周辺ビジネスを広げて、人が幸せになれる会社をこれからもつくっていきたいと思っています。

石川:テニススクールのビジネスで、社員で言ったら300人、アルバイトを含めて1,000人。全国規模の企業ができあがった。でもやっているのはピープルビジネスなんだと。だからこそ、幸せに働ける組織づくりを使って伸ばしていける会社を、さらに19社、20人の社長をつくって300億円にしていきたい。しびれるビジョンですね。

大西:いろんな会社を見ていても、生活のために働いているという人もいっぱいいます。それはそれで大事なんですけどね。それよりも、同じ働くのであれば目的を明確にして、みんなが幸せになれるような意識を持って働いてもらえる会社をつくりたい。そういう会社を広げていきたいと思っています。

石川:弊社も中小ベンチャー企業特化のM&Aをやっていますので、ビジネスモデルはいいけれど、ピープルのところで課題があるという会社様がいらっしゃったら、ぜひグループにも。

大西:ちょっと話がそれるかもしれませんが、以前M&Aをやったんですね。買い手の希望者が4社いて、お見合いをして向こうから選んでもらう。当然、買う値段も出すんですが、我々は上から3番目だったんです。あまり高く出さなかった。要は、会社を気に入ってほしかったから。担当者からは「もう1,000万円ちょっと積んでください」という話もありましたが、「いやいや、俺は低くても選んでくれる会社のほうがええから、あえて低くするんや」と。それで3番目だったんですが、うちがダントツ1位で選ばれました。事前に、うちがいいなと思っていたみたいです。最初のお見合いのときから意気投合して。その会社も、銀行からいろんな会社を紹介されてお見合いしたけれど、なかなか合うところがなかったそうで、今回大手のM&A会社に探してもらって、たまたまうちが入って決まったという。

石川:僕らも中小ベンチャー企業のM&Aのご支援をしていてすごく思うんですが、金額で選ばれると、うまくいく確率はちょっと低めなんですよね。それ以外の部分で選ばれないといけないと思っていて。まさに向こうの価値観に合ったんでしょうね。

大西:そんな人ばかりじゃないと思いますけど、よっしゃと思いましたね。会社の組織=社長みたいなもんじゃないですか。そこを気に入ってもらえたので、非常にうれしかったです。

石川:社長同士の相性が本当に良くないと、PMI、統合した後の組織のくっつきがうまくいかないですからね。

エンディング

石川:ぜひこれからも勉強させていただきたいですし、社長が20社のグループ会社、300億円を実現されるのを、微力ながらお手伝いできたらと思いますので、引き続きよろしくお願いします。ノアインドアステージ、大西社長でございました。高評価、いいね、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

大西:ありがとうございました。

前編はこちら

【なぜ、社員が定着しないのか?】新入社員の約半数が辞めた会社で、社長が変えた社員との向き合い方【ノアインドアステージ/大西雅之代表/前編】

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