信田 将司の物語
「なんでこんなに働いてるのに家に入れるお金が少ないの?」
経営者をしていた父が家に入れるお金を見て、母がよくこぼしていた言葉です。
私の家庭は外から見ると良い家族でしたが、実情は両親の喧嘩が絶えなかったり、陰で互いの悪口を私に言っているような家庭で育ちました。
父は私が小学生の頃にゲームセンター事業で起業しました。
事業が好調な時もあれば、思うようにいかない時もある。その浮き沈みを間近で見てきました。
そんな父の少しでも力になりたいと思った私は、当時小学生の間で流行っているものを父に教えることもありました。
それでも「経営」は小学生のアドバイスで好転するほど甘くありません。
現状は大きく変わることなく、「何の力にもなれない」という無力感だけが当時の私の感情を支配していました。
無力感と同時に、他に感じていたこともありました。
それは、苦しい状況下であっても、従業員が少ない中でも父が責任を持って働き続ける姿です。
だからこそ、「経営者を支える存在になる」、そして「周りにいる人やその子供が苦しむことのない社会にしたい」という気持ちが自然と芽生えるようになっていきました。
1社の経営者、そして中で働く人たちが元気になり、家庭も元気になる。
そんな世界を作りたいと思って社会人への一歩を踏み出し、コンサルタントという道を歩みはじめたんです。
コンサルタントとして働く中で特に感じたこと。
それはどれだけ「良い会社」であっても、”イメージ”だけで選ばれにくくなるという現実です。
どれほど魅力的な人が集まり、魅力的な事業をしていても「中小」「ベンチャー」というだけで候補者に届かない。
知ってもらえても、“イメージの良い”会社に人材を奪われてしまうのです。
ただ、私は同時に「本当に良い企業なら必ず採用で勝てる」とも感じました。
経営者が諦めずに採用に取り組めば、必ず自社に合う人材と出会える。
逆に諦めてしまえば、社長は人材不足に苦しみ続けることになります。
だからこそ、採用は中小ベンチャー企業の経営者にとって最も重要な経営課題の一つだと考えています。
人がいないとき、事業が思うように進まないとき、最後に踏ん張っているのは経営者です。
その社長を採用の面から支えることで、経営者自身が安心して挑戦できるようにしたい。
そして結果として、社員やその家族も、周りにいる子どもたちも、辛い想いをせずに済む社会を実現したいのです。
日本の99.7%は中小企業。
だからこそ、一社でも多くの中小ベンチャー企業が優秀な人材と出会い、採用に成功することが、日本全体を元気にすることにつながると信じています。