幹部育成(じっくり読む)

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幹部育成に王道はあるのか

幹部育成に王道はあるのか
(じっくり、考えながら読んでください)

白潟: 社長は、幹部育成に王道はあると思いますか?

社長:
うーん、どうだろうなあ? 王道でしょ? あるんじゃないのかな?

白潟: 私もあると思います。
ちなみに、社長が考える幹部育成の王道って何ですか?

社長: (しばらく沈思黙考)
・・・なんだろうなあ? 外部にたよらないこと!これじゃないかな?

白潟: なるほど、その通りですね。外部に頼らず社内でやることは極めて重要です。
ところで、王道って1つですか?

社長: いや、他にもあるんじゃないの。

白潟: それは何ですか?

社長:
もう1つはゴールかな。どういう幹部になってもらいたいか、これを明確にすることが先決だよね。

白潟: たしかに、そうですね。私はゴールを『社長の幹部への期待』と呼んでいます。

社長: 幹部への期待か? なるほどね。

白潟: 社長、幹部への期待を明文化していますか?

社長: うん、しているよ。幹部も十分理解しているんじゃないかな。

 



白潟: いや、私は口ではいつも言っているけど、紙には書いてないなあ。

社長: そうですか、ぜひ社長の幹部への期待を紙に書いて見える化してください。

 



白潟: さて、ここで私が考える幹部育成の王道を紹介します。

①前提クリア → ②ゴール設定 → ③実践

これが、幹部育成の王道です。

社長: 白潟さん、なんかシンプルすぎるね! 前提をクリアしてゴールを設定し実践? なんだか当たり前すぎない?

白潟: はい、社長の指摘通りかもしれません。でも意外とこれができていない社長が多いんです。

社長: え!本当かよ? 俺はできているけどね。

白潟: いや!さすが社長、素晴らしいですね。
①の前提クリアと②のゴール設定は、ついつい忘れてしまう社長もいるんです。
 



社長: 白潟さん、私はやってないね。

白潟: そうですか、では、これからやっていきましょう。

第1ステップである『前提クリア』は、育成対象である幹部が次の四つの前提条件をクリアしているかということです。

①幹部は社長のゆずれないおもいや考えに賛同している。

②幹部として最高の熱意がある。

③部門で成果を出した実績がある。

④部下から信頼を失う言動をしていない。


クリアしていなければ、どんなに育成しても社長の期待通りの幹部にはなりません。社長のストレスがたまるだけです。

社長: なるほど、早速全員の幹部のチェックをしてみるよ。

白潟: ぜひやってみてください。
実は、幹部以外にもう1つ前提があります。何だと思いますか?

社長: (しばらく沈思黙考)
・・・幹部以外だよね。なんだろうな? これをクリアしないと幹部育成がうまくいかない条件でしょ。

白潟: はい、そうです。幹部同様、これがクリアできてないと幹部育成どころではありません。

社長:
あ!わかった。カリキュラムやプログラム?

白潟: なるほど、そうきましたか。でも、残念ながら、ブーです。

社長: え!ちがうの?

白潟: ヒントは人です。

社長: 
人? 幹部以外の人だよね。 部下かな、いや違うな。同僚? あ!わかった。もしかして、社長?

白潟: ピンポン!ピンポン!正解です。実は社長なんです。

社長: え!俺なの?なんかやだね。 で、俺の何が前提?

白潟: はい、『模範社長の熱意・愛情・忍耐』です。社長が幹部の模範となり、幹部に育ってほしいと心からおもう。これが重要ではないでしょうか。

社長: まあ、たしかにそうかもね。幹部は社長の背中を見て育つし、社長の幹部育成への熱意も重要だよね。

白潟: ところで、社長、次の質問に回答いただいてもいいですか?

社長:
ああ、いいよ。

白潟: 【質問1】社長自身、誰よりも強く成長を願い続けていますか?

【質問2】社長自身、誰よりも成長のための努力を続けていますか?

【質問3】社長自身、誰よりも成長し続けていますか?

【質問4】社長の右腕になるような幹部がどうしてもほしいと心からおもっていますか?

【質問5】深い愛情を持って幹部に接し、幹部の成長を見守っていますか?

【質問6】幹部がなかなか思うように育たなくても、じっと待っていますか?


いかがでしたでしょうか?

社長: 6つともYESだったよ。

白潟: へー、さすが社長、素晴らしいですね。社長の前提条件はクリアです。幹部育成の王道の次のステップ『ゴール設定』に進みましょう。
 



社長: いやあ、白潟さん、お恥ずかしながらいくつかNOがあったよ。自分が前提ブーだね。

白潟: 社長、そうでしたか。『おもわず失敗→かならず反省』でいきましょう。社長が変われば幹部も変わります。

社長: そうだね。まずは、自分から変わっていくよ。

 



白潟: 『前提クリア』の次のステップは『ゴール設定』ですが、これは先ほど社長も言ってました。幹部育成のゴール、すなわち将来幹部にどうなってもらいたいかを明確にすることです。私は『幹部への期待』と呼んでいます。図6-3『幹部への3つの期待(チェック欄つき)』を活用したい場合はダウンロードしてください。

  
図6-3幹部への3つの期待(チェック欄つき)


①まずは、将来どういう幹部になってもらいたいかを設定します。

②つぎに、上記①を実現するために現時点で社長が幹部に期待することを最大三つ設定します。


これで、ゴール設定は完成です。

社長: かなり、イメージわいてきたよ。早速やってみるよ。

白潟:
前提条件をクリアし幹部育成のゴールが設定できれば、ゴール目指してあとは最終ステップ『実践』あるのみです。幹部育成の王道として実践することって何だと思いますか?

社長:
幹部育成で実際やっていくことでしょ。困難な仕事を与えるじゃないの?

白潟: なるほど、その通りですね。困難に立ち向かい、努力を重ね苦労を積まなければ育たない。人間は失敗からしか学べないとよく言われます。俗に言う、『修羅場の経験』は幹部育成には極めて重要です。

社長: 修羅場か!たしかに、そこで幹部は育つし、一皮むけるよね。

白潟: 社長、まさしく一皮むけると幹部はものすごく育ちますよね。
思い切って修羅場を経験させ育成することは重要ですが、それ以外に実践することってありますか?

社長: 修羅場以外? うーん、なんだろうな?

白潟:
社長、幹部が修羅場で苦労し判断に迷った場合、どうすればいいですか?

社長: そりゃ、私に相談にくるべきだろう。

白潟: なるほど、当たり前ですね。ただ、毎回幹部が相談にくると自分で考える力がつかないのではないでしょうか。

社長: それはそうだね。いや、全ての幹部が毎回私のところに来たら私も困ってしまうよ。

白潟: そうですよね。であるならば、社長は幹部に何を伝承すべきですか?

社長:
あ!そっか、幹部が迷った時の判断基準だ。それを伝承すればいいのか。

白潟: はい、社長の分身となる幹部を育成するには、社長の判断基準、言い換えれば『社長の経営哲学』の伝承が必須ではないでしょうか。経営哲学というと少し表現が固いので、私は『社長のゆずれない考え方』と言っています。

社長: なるほど、私のゆずれない考え方(経営哲学)の伝承か。たしかに、これができれば私は安心して幹部に任せられるし、幹部は悩んだら自分で判断できるようになるね。まさしく、王道だ!

白潟:
京セラの稲盛名誉会長は、著書『人を生かす』(日本経済新聞出版社)の中で『それでも、どうしても頼りになる部下がほしいと思った私は、「私に経営ができるのは、経営をする上で判断基準となるフィロソフィーを持っているからだ。共同経営者になってほしいと思う人にこのフィロソフィーを教えよう」と考え、話をし始めたのです。』と言っています。

社長: へー!稲盛会長もやっているんだ。うちはゆずれない考え方をすでに明文化しているので、早速伝承してみるよ。

 



社長: いやあ、私は見える化できていないので、私のゆずれない考え方(経営哲学)の見える化から始めなくてはならないね。

白潟: そうですね、まずは次の質問にそれぞれ回答を書くことで社長の頭を整理し、まとめてください。

①社長が経営をする上でゆずれないおもいや考えは?

②社長がリーダーシップの発揮やマネジメントする上でゆずれないおもいや考えは?

③社長が仕事をする上でゆずれないおもいや考えは?

④社長が人格を高め人柄を良くするために大切にしているおもいや考えは?

⑤社長の人間に対する正しい認識は?

社長:
え!これ全部に答えるの?

白潟: いえいえ、経営理念や行動指針・経営方針のように既に明文化しているものは答える必要はありません。ただ、幹部育成に活用していく考え方なので③以外は、必ず社長の考えをまとめ見える化してください。

社長:
できたものを、どう活用するの?

白潟: 社長なら、どうしますか?

社長: そうだね、これをテキストに幹部研修や合宿をしたいね。

白潟: いいんじゃないですか。まさしく王道です。研修や合宿以外でも、幹部との個別面談や飲み会、幹部会などで社長が幹部に常に語り浸透・実践させましょう。

最終ステップ『実践』の具体的施策である『修羅場の経験』、『社長のゆずれない考え方の伝承』を紹介しました。これらの活動を通じて社長が設定した幹部への期待が、どこまで実現できているかを社長と幹部が定期的にチェックする。これが3つ目の施策です。
図6-3『幹部への3つの期待(チェック欄つき)』を活用したい場合はダウンロードしてください。


  
図6-3幹部への3つの期待(チェック欄つき) (PDFファイル)

 

社長: たしかに、期待の実現度チェックで最後の仕上げができるよね。

白潟: ここまでで、幹部育成の王道『①前提クリア→②ゴール設定→③実践』を紹介してきました。現在、社長が実践している幹部育成と比べていただきギャップがあれば改善してみてはいかがでしょうか。




~まとめ~

幹部育成に王道はあります。『前提クリア→ゴール設定→実践』の3ステップです。

『前提クリア』は次に示す2つの前提条件をクリアすることです。

(1)幹部が4つの前提条件をクリアすること。

 条件1 社長のゆずれないおもいや考えに賛同している。

 条件2 幹部として最高の熱意がある。

 条件3 部門で成果を出した実績がある。

 条件4 部下から信頼を失う言動をしていない。

(2)社長が6つの前提条件をクリアすること。
 
 条件1 誰よりも強く成長を願い続けている。

 条件2 誰よりも成長のための努力を続けている。

 条件3 誰よりも成長し続けている。

 条件4 社長の右腕になるような幹部がどうしてもほしいと心からおもっている。

 条件5 深い愛情を持って幹部に接し、幹部の成長を見守っている。

 条件6 幹部がなかなか思うように育たなくても、じっと待っている。

『ゴール設定』は社長の幹部への期待の見える化です。

(1)将来どういう幹部になってもらいたいかを設定します。

(2)上記①を実現するための現時点での期待を最大三つ設定します。

(3)図6-3『幹部への3つの期待(チェック欄つき)』を活用したい場合はダウンロードしてください。


幹部への3つの期待(チェック欄つき) (PDFファイル)
  図6-3


『実践』は上記③のゴールを達成するために、次の三つを実践していきます。

(1)修羅場の経験

(2)社長のゆずれない考え方(経営哲学)の伝承

(3)社長の幹部への期待の実現度チェック

(4)図6-3『幹部への3つの期待(チェック欄つき)』を活用したい場合は、ダウンロードしてください。 

 

 

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